特集 ライフサイクルと地域保健
人間のライフサイクルと生態学
小泉 明
1
1東京大学医学部公衆衛生学教室
pp.689-693
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205280
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I.ラィフサイクルと生存
ライフサイクルといえば,出生・発育・成長・成熟・老化・死亡という一連の経時的変化,またその過程での出産とそれに続く次代の発育・成長…という同様の経時的変化,そしてその繰り返しというパターンが考えられる.それは個体の生活に関する質的な表現であり,1つの典型である.
現実には,すべての個体がそのようなライフサイクルを完うしているのではない.また,代をかさねてライフサイクルを引きつぎ繰り返している例がすべてではない.そこには生存の壁が存在しており,ライフサイクルはいつ,どのようにして中断の運命に遭うかも知れないのである.
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