調査報告
青年の性意識に関する調査報告(1)
中野 信雄
1
,
斎藤 ワカエ
1
,
石沢 セイ子
1
,
渡辺 サダ
2
,
渡辺 ひで
3
,
斎藤 はな
4
,
菱沼 クニヨ
5
,
鈴木 文江
6
1山形保健所
2上山市役所
3山辺町役場
4山形市役所
5天童市役所
6中山町役場
pp.312-320
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205607
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I.調査の概要
1.調査の目的
性に関する問題が多くの人びとによって自由に語られ,話題とされることを長い間タブー視してきたわが国においても,戦後,とりわけ最近では枠は急速にとりはずされてきたといえよう。かかる趨勢を導きだした社会的な背景を,いまここでは問わないとしても,従来,性について自由に語るという伝統をもたなかったがために,今日,多くの論者によって指摘されているように,数々の問題を内包していることは周知のとおりである。
今回,私たち保健婦がこのテーマで調査研究を実施した直接の動機も,実はここにあった。とりわけ"未婚者の人工妊娠中絶"が増加していることについては,母子保健を中心内容とした指導,助言を行なっている私たちにとって重大な関心事でもあった。しかし,この問題についても指導方法が確立しているとはいいきれない。私たちが必要とする具体的な指導方法も実は具体的な事実なり人びとの示す意識を前提としなければならないことはいうまでもない。そこで,性に関するいくつかの問題を人びとがどのように感じ,どのように理解しているかを明らかにしようと思った。
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