講座
青年心理(3)—青年後期
小林 さえ子
1
1実踐女子大学
pp.53-58
発行日 1955年12月10日
Published Date 1955/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201082
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前述のように,わたくしたちは青年後期を,19・20・21才を中心とし,18と22才を移行期とする時期に考えてゆくことにします.つまり学制にあてはめていえば,大学時代に相当するわけです.この時期,学校へいつていない場合には,すでに実社会において職業をもつているものもあり,中には(特に女子の場合など)結婚して家庭をいとなんでいるものもあります.社会にあつて一定の職業をもち,家庭をもつことこそ一人立ちの「成人」を意味するものであり,かれらの心理は青年のそれとはいいがたいでしよう.なんとなれば青年とは,未だ一人立ちはできず,何らかの意味で成人から保護をうけている時期を指すのですから.したがつて,次に「青年後期」の心理としてのべるものは,おもに大学生を対象として考えていることをお断りしておきます.
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