特集 変わりゆく市民意識と保健婦活動
地域調査を通してみた住民意識の変容―奥田道大教授に聞く
奥田 道大
1
1立教大学社会学部社会学科研究室
pp.637-643
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205542
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先生は何年ぐらい地域にはいりこんで 調査をされてきたのか
都市社会学での地域調査という狭い範囲内ではあるが,ちょうど20年ほどになる。その間,調査の方法には,流れがあったと思う。50年代と60年代,それに70年代では,流れの画期というものがみいだせるのではないか。地域社会の変化もさることながら,住民の意識なり,調査する側に対する対応の変化の中で,研究者のほうも調査の方法を変えざるを得なくなってきている。この調査方法の変化を見ていくと,逆に住民の,その時点時点での問題の所在を明らかにしているように思う。一定の余裕をもって地域社会とは何か,住民とは何か,地域調査とは何かという方法論をひっ下げて,フィールドをしていたのではなかった。そのへんは,他の調査分野とは,だいぶ事情を異にしている。
地域住民とともに歩むというと聞こえはいいが,地域社会に引きずられて,今日にいたったというのが,いつわらざるところだ。
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