声
雑感
川崎 妙子
1
1京都府長岡京市役所
pp.8-9
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205411
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保健婦として就職して,いろいろなことで悩みながらも,早や4年がすぎてしまいました。個々のケースに接するなかで感じることですが,学生時代に学んだことはいったいなんだったのだろう。実際現場では,あまりにも役にたたないことが多すぎるのです(学校というところはそんなものであって,仕事をしていくなかで,いろんなことを学ぶのかもしれないが……)。今年はじめて学生の実習を受けもってみて,学校の教育のあり方につくづく疑問を感じました。学生の技術の未熟さはしかたありませんが,あまりにも看護という技術のみにとらわれすぎています。そのまわりに何があるか見ようとしない,そのような教育で現場のいろんな問題のなかでやっていけるでしょうか。
私は看学時代に,サークル活動としてセルツメント活動を,あるスラム街にはいってやっていました。そこは家はバラックの建物で,4.5畳に5〜6人の家族が寝ていました。同じような長屋の家が建てこんで環境が悪く,仕事の内容は廃品回収の人々がほとんどでした。雨が降れば仕事がなく,収入もありません。1日一生懸命働いても何百円かです。1日家族がやっと食べていけるぐらいです。
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