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要約
この調査は,入院期間中に前述した患者によって,役にたつ,あるいは役にたたないとみられたその範囲に関する追加情報を提示した。
最初の70人のサンプルから47人が電話でうまく連絡がとれ,簡単な標準化された面接がなされた。患者は,看護の有用性について5つのポイントの基準で評価するよう依頼された。看護婦の有用性,非有用性についての記述的批判が引き出され,5つの質的カテゴリーにコード化された。有用性の評価と,1)患者の診断名と年齢,2)入院時,退院後の結果の測定,3)患者といっしょにいたとき,患者はどういうふうに役にたつと感じたかについての看護婦自身の評価,の3つとの関係が調べられた。2人の患者のサンプルは,看護スタッフが評価するに値するほどの情報を思い出すことができなかったために除外された。
調査結果は,患者の大多数が評価と質的批判の両方において,看護婦は役にたつとみたことを示した。有用性の評価と診断名や年齢との相関関係はみられなかった。入院中の結果がよくないものは,看護婦は役にたたなかったとみたことと有意的に関係があった。一方,入院中の結果がよいものは,看護婦は役にたつとみたことと関係があった。看護婦の有用性についての患者の見解と,看護婦がどれだけ役にたったかという看護婦自身の評価との対比は,患者が入院中看護婦から恩恵を受けた患者の範囲で高い同意がみられた。最後に,臨床的要約として,看護干渉が成功したとみられる2例と,不成功だったとみられる2例が提示された。
治療上の代行者としての精神科看護婦の役割は,多くの患者によって十分価値があるとみられたことが結論として得られた。看護婦の有用性は,異なった患者によって,支持できるものであり,有効であり,対決できるものであり,きわめて一般的に言って洞察力があるというふうに,異なった患者によって,異なった方法で考えられていた。
更に,看護婦の有用性,あるいは非有用性についての患者と看護婦との密接な同意は,有用性についての精神科看護婦自身の臨床的印象は,入院中,退院後の双方における患者の回復に最も有用な予言となるかもしれない,ということを示唆している。
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