紹介
—Richard I. Shader 編集—Psychiatric Complications of Medical Drugs
融 道男
1
Michio Toru
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental Univ. School of Med.
pp.1229-1234
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202106
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1.はじめに
10年来,向精神薬の副作用について研究を続けていたShaderらが,向精神薬以外の医薬品によって生じた精神症状についても観察を続け,1971年頃から二,三の報告を発表してきた。本書はこの構想を発展させ,17人の寄稿者を得て集大成されたものである。
Shaderの序論によると,一般病院への入院患者の5%は医薬品の副作用によるものであり,また入院患者のうち18〜30%は薬の副作用を生じているという。それであるからある疾病をみた場合,疾病の性質にかかわりなく,いつでも医師は自らに「これは薬に関係ないだろうか」と問わねばならない。本書は医原性あるいは医薬原性疾患に関する著述であり,それを精神症状という因子からまとめている点,臨床精神科医にとって必要な多くの事項について論述している。
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