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L-Tryptophan in the Treatment of Levodopa Induced Psychiatric Disorders/Changes in Subtype Diagnosis of Schizophrenia—1920-1966
上島 国利
1
,
立山 万里
1
1慶大精神神経医学
pp.394,410
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202305
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Parkinson病に対するL-Dopaの著明な効果が知られるにつれその使用も飛躍的に増加した。それとともに,L-Dopaによる副作用の報告も漸増しつつある。なかでも精神症状は,自律神経系の副作用,不随意運動と並んで頻度が多く10〜50%(平均20%)にみられその対策に苦慮する。精神症状は抑うつ,軽躁,性欲亢進,不眠,悪夢,傾眠,幻覚,妄想,焦燥,せん妄,精神病の顕在化などの型をとり,通常はL-Dopa中断後1〜5週間で消褪し再投与可能なものもあるが,中断,減量をよぎなくされることも多い。精神症状は,L-Dopaの投与量や投与持続期間とは関係ないが,精神病の既往とは関係している。著者らは過去3年半の間にMaimonides Medical CenterでL-Dopa治療を行った患者の60名(29%)に精神症状の発現をみている。精神症状の発現機序は明確でないが,L-Dopaが脳内serotonin含量を減少させるためではないかと推定されている。Birkmayerらは,serotoninの前駆物質であるL-Tryptophanを服用させることにより,L-Dopa惹起性精神症状の著明な改善をみている。
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