苦言辛言
頼りがいのある保健所に—障害児の母として望むこと
福井 典子
1
1障害をもつ子どものグループ連絡会
pp.386-387
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205294
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はじめに
私の娘は重度のちえおくれで,6歳になった現在も,歩くこと,しゃべることができません。それでも悲しみや喜びを身体中で表現しながら,家族の1人として,せいいっぱい成長してきています。
私はこの娘とともに生きるようになって,わが国の障害児対策の貧しさに,強いいきどおりを感ぜずにはいられません。経済的にゆとりのないわが家では,娘のために,つとめて公立の費用のかからないところを求めて歩くほかありません。保健所もそのひとつでした。しかし期待に反して,保健所は頼りがいのあるところではなかったようです。
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