ぷりずむ
頼りない禁煙活動
園田 真人
1
1粕屋保健所
pp.359
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207269
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通勤途中の駅のプラットホームに,2,3人の男子高校生がうずくまっていた.そのうちの一人は真っ青な顔をしている.よくみるとタバコを吸っているようだ.「どうした」と声をかけると,「おじさんは,どこの先生かい」と言う.「先生は先生だが,学校の先生でなくて保健所の先生だ.それはそうと,タバコはうまいのかい」,「うん」,「きみたちはスポーツをやるのかい」,「バレーボールをやっているけど,どうして?」,「スポーツをするものが,タバコを吸っていては駄目だよ.先日,羽田空港でプロ野球の選手たちがいたが,ほとんどの選手がタバコを吸っていた.S球団の選手だよ.この球団はいつもどん尻だろう」と言うと,「さすが,おじさんの話は迫力があるね」と言って,タバコを吸うのを止めた.迫力があるといわれたのには苦笑したが,素直にタバコを止めたのには,好感がもてた.
タバコの害については,もう言い古された感がある.しかし喫煙率は,やや低くなったとはいえ,依然としてイギリスやアメリカに比べると高く,成人男子の喫煙率は64.4パーセントである.
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