保健所保健婦に望むもの
保健所保健婦に望むもの
三枝 一也
1
1飯田市役所保健課
pp.53-55
発行日 1960年7月10日
Published Date 1960/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202134
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保健所保健婦に何を望むかということを考えてみたとき,保健婦業務そのもののあり方に根本的な相違があるようではないし,保健所保健婦だけが問題なのではなくて,市町村保健婦にも,事業所保健婦にも,病院保健婦にもそれぞれの問題があるとすると,保健婦本来の仕事が十分に伸ばされていないことの原因を,種々の角度から検討し分析することが必要になり,これは国の政治のあり方から始まる大きな問題になりますので,専門家の諸先生方の卓見を拝聴することの方が賢明ということになりそうで,その点は「保健婦雑誌」や「公衆衛生」に毎号掲載されておる記事に御任せすることにして,私が田舎の小さな市にあつて経験している仕事を通して感じたことの幾つかを述べてみたいと思います.
保健所保健婦といつても,保健所によつて身分が異るというものではないし,仕事も大体同じようなシステムで処理されているのが当り前と考えていたのですが,実際は若干異る由で,保健所の置かれている地域の県の考え方とか,所長の考え方,あるいは客観的な諸条件が異ることから,業務のあり方も千差万別で地方毎にそれぞれ一つの形態ができているようですから,これから述べることもある保健所には,当る点があることであり,また他の所には全然的外れのことにもなると思いますので,まず当地方の状況を記して,論議の前提といたしたいと思います.
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