保健所保健婦に望むもの
保健所保健婦に望むもの
川上 喜八郎
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1新潟県庁民生部保険課
pp.49-51
発行日 1960年7月10日
Published Date 1960/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202132
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「保健所保健婦に望む」というテーマを与えられたけれども,正直私は保健所保健婦のみなさんが,どんなことをやつているのか,よくは知らない.しかし国保(市町村)が保健施設として保健婦あるいは直営診察施設等を設置しながら,それを十分に生かしきれない現実,さらにこれに対し,県にあつて国保指導事務に従事している私たちが,どんな考え方でこれに臨んでいるかを述べたいと思う.そして敢えて保健所保健婦--というよりは保健所に望むというテーマにむすびつけるとすれば,これを裏返してお読みとり頂けるときに,国保の保健施設活動に関連して,保健所に望むことになるかも知れないと思う.
ただ本県において必ずしも以下述べることがそのとおりに行われていないけれども,徐々に進展していることは間違いないと思つているし,同時にこの方向が,他府県においてもとられているとは限らないのであるから,何も知らない国保の一人が,勝手なことをいつていると片付けられてもいたし方ないと考えている.しかしいえることは保健所がその「平均化された行政」のみにとらわれて,国保の設置する保健施設の意義等を無視するならば,保健所の行政そのものも,実績をあげ得ずして終つてしまうということである.
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