What's your diagnosis?[168]
カンが頼りです
田口 智朗
1
,
石丸 裕康
1
1天理よろづ相談所病院総合診療教育部・救急診療部
pp.976-979
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200688
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病歴
患者:78歳,男性.
主訴:意識障害.
現病歴:もともと外来で原因薬物不明ではあったが,皮膚生検によって特定された薬疹と薬剤性腎障害で徐々に腎機能の悪化が進行していた.今回帯状疱疹の加療目的で当科入院.アシクロビル投与中の入院8日目に静脈留置針刺入部に膿汁を認め,11日目に発熱が出現.血液培養からMSSA(メシチリン感受性黄色ブドウ球菌)が検出されたため,12日目にセファゾリン開始.経胸壁心エコーで大動脈弁逆流,左冠尖逸脱もしくは穿孔を疑う所見に加え,同部位に疣贅を認め,「感染性心内膜炎」の診断となった.13日目に意識障害が出現.髄液検査で細胞数上昇,腎機能増悪,脳波で三相波を認めた.抗菌薬をセフトリアキソンに変更.持続的血液濾過透析で改善し,抗菌薬変更により意識状態がさらに改善したことから,尿毒症および感染性心内膜炎に伴う反応性髄膜炎からの意識障害であったと判断した.
その後,3回/週の血液透析を施行し,抗菌薬は継続.経過は良好であったが,27日目より意識障害が再度出現.見当識も保たれていた状態から,名前も言えずうめき声をあげる状態となる.JCS(Japan Coma Scale)Ⅰ-1➡Ⅱ-10.
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