特集 名古屋市の保健婦活動
住民とどう結びつくか
慢然とした家庭訪問から脱却を
岡田 文子
1
1名古屋市中村保健所
pp.247-250
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205258
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
10年前はまだしもよかった
人口おおむね10万人に1か所という保健所設置基準も,人口の都市集中化に伴い,膨大な人口をかかえ社会の変化に追いつけず,また仕事は複雑化し,多岐にわたるのに,保健所の設備は不備,医師・保健婦・その他の職員も不足という状態で,地域住民とのふれあいなどむずかしい。地域住民の保健衛生活動の中心である保健所は,社会福祉政策とはおよそ反対の傾向にある。
このような情勢のなかで保健所のありかたが,大きく変えられようとしているとき,われわれ保健婦の活動についても,いまさらのように保健婦は何をなすべきか,保健婦活動はどうあるべきか,いろいろ論議されているが,地域担当者として真に住民の健康生活への支援者としての働きがなされているだろうか。日々掲上業務に追われ,上から流れてくる仕事が優先し,地区の把握が十分に行なわれないまま,画一的な業務のくり返しに終わっているのではないだろうか。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.