特集 結核患者訪問は機能しているか
私は患者の立場にたっているか—結核患者訪問を通じて
1つ1つのケースをたいせつにしていくことで
町田 カツ江
1
1群馬県渋川保健所
pp.32-34
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205170
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はじめに
保健所の概況は1市1町6か村,昭和47年6月現在,管内人口102,280人,世帯数24,156人,面積28,953km2,国定忠治で有名な赤城山を右に,温泉町である伊香保を管内に,おりおり変化する山々が眺められる。
現在結核登録者は687人,そのうち感染性患者は97人である。また住民健診受診率は89.6%である。結核患者が従来のような,よく管理され,生活も保障され,入院しても生活上の不安のない階層(青少年,学童,大企業従業員など)であった時代が去り,現在発見される患者は社会的に不遇な階層(たとえば病気があっても働かざるをえない自営業者,主婦,生活保障の少ない中小零細企業の従業員,あるいは年齢的に高齢化した老人層など)に多くなってきている。したがって,患者の指導に当たっては十分に患者側の生活の背景,環境を考慮していかなければならなくなっている。
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