とびら
自分をたいせつに
大峯 三郎
1
1産業医科大学病院
pp.741
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102884
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一昨年,ある事柄に関連して県士会員の学術的活動などへの参加状況についてアンケート調査を行なう機会があった.その中で,参加状況を年齢別にみると卒業後間も無い,しかも経験年数の比較的若い会員の参加状況率がほぼ中堅と思われる会員のそれよりもかなり低いという調査結果が得られた.アンケート調査という点において正確に会員の動向が反映されにくい面を考慮したとしても,私としてはやや意外な結果であり,それと同時にもっと自分自身をたいせつにしてほしいと感じた.
この参加状況率の低下については幾つかの要因が考えられる.例えば講師,テーマ,内容などに対する個人的価値観からの判断やそのものに対する興味に関する問題,さらには一人理学療法士職場などを含めた労働環境の問題や学術的活動が開催される日時,場所などの時間的あるいは経済的制約などが挙げられるであろう.しかしながら,これらの要因については多少の差があっても,若年会員であろうと中堅会員であろうとさほど大きな差異があるとは思われない.それでは調査結果が意味するものは何かとすれば,おそらくこれは理学療法士としてのプロ意識のもちかたの相違によるものではないかと考えられる.
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