特集2 私の母子保健活動
1人1人の命をたいせつに
津村 寿子
1
1大阪府立公衆衛生学院・国立公衆衛生院
pp.30-34
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205188
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保健所で机に向かって仕事をしていると,電話のベルが異常に耳につく。受話器をとって「もしもし○○保健所ですが」と言うと,まもなく「うちに赤ちゃんが生まれたんですが,いつごろ訪問してくれますか。なにしろ初めての子供で心配で心配でたまりません」,「赤ちゃんの健康診断はいつありますか」,「予防注射にはいつ連れていったらいいですか」,「妊娠したのだけれど,母子手帳をもらうのはどうしたらいいですか」……と住民からの電話は母子に関するものが圧倒的に多い。保健所の電話は母子に関することと野犬捕獲についてが1位,2位を争っているといわれる。このような現状において,はたして保健所は住民の要望にこたえているだろうか。
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