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よりよい看護をするために—看護面接の理解とその実践
松野 かほる
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1国立公衆衛生院衛生看護学部看護技術室
pp.271-276
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918101
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はじめに
看護の対象はその人の病気あるいは症状のみではなくその人のすべてを包合したもの,その人の身体的な問題に伴って現れてくる,精神的な,情緒的な,感情的な,社会的な,その他様々な側面すべてを含めたそういう人間まるごとを対象とすると言われている.また看護とは,病人あるいは保健サービスを必要としている人間と看護婦との間の1つのダイナミックな相互作用のプロセスであるという概念も広く認められている.看護婦が患者とともにその患者のもつ問題をとり除いていくために,患者にかかわっているそのとき,患者のすべてに目をあてて,看護婦のそれに対応する過程が看護であり,そのときどき患者とかかわりあう中で生ずるものに対応しながら,言い換えれば患者との相互作用によって創り出される現象や,それをある方向に押し流していく力を操作しながら看護目標に導くのが,看護婦の役割であるといえよう.また看護婦の役割は,患者の考えや態度の変容を促し,それによって回復にむかわせることであるとも言える.
看護の役割を果たすには,看護婦から患者へ,患者から看護婦へと,それぞれの意図や状況をいかにコミュニケートするかがカギとなる.バーモスクとモーダンは看護面接について,患者と直接的な関係でお互いに質問し,それに答えるというやりとりをとおして,相互の考えや感情,あるいは知識を伝え合い,それによってお互いに理解し,そして態度を変容させることであると説明している.
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