研究・調査・報告
思春期にある中学3年生の性知識および性意識と両親への性相談に関する調査
土岐 春夫
1
,
土岐 満子
2
,
大串 靖子
3
,
木村 宏子
4
,
津島 律
4
1五所川原市野里小学校
2五所川原市立第一中学校
3弘前大学養護教諭養成所
4弘前大学教育学部看護学科教室
pp.69-76
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205076
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はじめに
思春期は小児から成人へと移り変わっていく変化の激しい時期で,成人看護学では,成人期のはじめは小児から成人への成長,すなわち,思春期であり,終わりは老衰から死に至るすべての時代を含む1),として特別に扱っている。思春期は性ホルモンの分泌が活発になり,身体の成熟に伴って起こる性の欲求は,生理的欲求ともなって起こってくる。このように人間として大きな変革の生じる時期であるにもかかわらず,看護において思春期は十分に体系化されているとはいえない。そしてまた,わが国の教育には,性についての体系的なカリキュラムがない2)。性は人間的に最も重要な部分を占めているのに,従来触れてはならないものであった。このようなことは,むしろ人間の成長発達への援助を妨げるものであると考える。このような点から卒業期を控えている思春前期と思春後期の中間にある3)中学3年生の性知識と性意識,および子供の両親に対する性相談の状態を把握するために調査を行なった。
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