Medical Topics
わが国の家族計画の問題点
松山 栄吉
1
1東京厚生年金病院産婦人科
pp.70-72
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205037
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家族計画ということばそのものは,夫婦が子供をつくる場合に,社会的,経済的,医学的条件を考慮しながら,計画的な妊娠・出産を図るという内容のものである。しかしその実施に当たっては,受胎調節が最も大きな比重を占めていることは当然である。
一方家族計画の必要性の裏づけとなるのは人口問題であるが,家族計画は家族単位に考慮されるのに対し,人口問題は国家的な見地から論議される。わが国の自然増加率はほぼ1であり,欧米の先進国なみであることは,国土が狭く,人口密度の高い日本にとっては望ましい現象といえよう。しかしその内容を細かくみると,必ずしも満足すべきものではない。それは人口増加の抑制に,人工妊娠中絶という方法が広く行なわれているからである。
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