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特集 循環器の大規模臨床研究—臨床治験を見直す
わが国における臨床治験の問題点
Problems in Clinical Trials in Japan
永井 良三
1
Ryozo Nagai
1
1群馬大学医学部第二内科
1Department of Internal Medicine II, Gunma University School of Medicine
pp.1075-1079
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901585
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はじめに
臨床治験のあり方は,単に新薬の臨床応用という技術的な面だけでなく,その国の医療体制,医療経済,医の倫理,医薬品産業のあり方などの多くの社会的状況を反映する.我が国では従来,臨床治験のあり方が真剣に議論されてこなかったために,医療現場では様々な混乱が生じている.さらに治験をめぐる不祥事は国民の医療不信を一層助長した.
臨床治験に関する問題は複雑多岐にわたり,十分に把握することは困難である.また分析する視点も,立場によって様々である.本稿では国立大学附属病院で治験に関与する立場から,(1)実施する病院に関する問題,(2)被験者である患者に関する問題,(3)製薬業界に関する問題,(4)医療体制全体の問題,を挙げる.
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