調査報告
わが国における血友病ナースコーディネーターの現状と問題点
小野 織江
1
,
黒木 久美子
2
,
鈴木 祐見子
3
,
仁神 享子
4
,
吉川 喜美枝
5
,
岩永 幸子
6
,
白幡 聡
7
,
滝 正志
8
,
福武 勝幸
9
1産業医科大学病院北部九州血友病センター
2静岡県立こども病院
3東京医科大学病院
4荻窪病院
5聖マリアンナ医科大学病院
6兵庫医科大学病院
7産業医科大学医学部小児科学
8聖マリアンナ医科大学医学部小児科学
9東京医科大学医学部臨床病理学
pp.161-167
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900500
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緒言
わが国では非加熱凝固因子製剤を投与された血友病患者の約4割がHIVに感染したが,血友病HIV感染者はHIV感染のみならず,血友病から派生するさまざまな日常生活上のハンディキャップをかかえている。したがって,血友病HIV感染者のQOLを改善してゆくためには,HIV感染の治療のみでは不十分であり,血友病専門医,整形外科医,歯科口腔外科医,ソーシャルワーカー,臨床心理士を含あた包括医療体制の整備が必要である。この包括医療を円滑に進めてゆく上で医療チームをコーディネートする看護婦(ナースコーディネーター,以下NC)の果たす役割は大きい。すでに欧米では血友病やHIV感染症のNCが活躍しているが,わが国では遅れをとっている。そこで,厚生省HIV感染者発症予防・治療に関する研究班(主任研究者:福武勝幸)包括医療小委員会(委員長:白幡聡)では,わが国の医療体制の中に血友病NCを導入するための基盤の整備の第一段階として,血友病患者を診療している全国主要施設にアンケートを送付してわが国の現状とNC導入上の問題点を分析した。
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