研究・調査・報告
全国医療ソーシャル-ワーカー実態調査
中島 さつき
1
,
阪上 裕子
2
,
松浦 美智子
3
1東京都衛生局医務課
2国立公衆衛生院
3病院管理研究所・虎の門病院分院
pp.39-45
発行日 1971年12月10日
Published Date 1971/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205003
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はじめに
医療社会事業という専門職業が行政の軌道にのりはじめたのは昭和22年,新保健所法が施行されたときである。すなわちGHQ公衆衛生福祉局の要請によって,他のサブ-メディカル分野が推進されたあとで,この仕事が取り上げられたのである。
医療ソーシャルワークMedical Social Workは1905年マサチューセッツ総合病院外来部長のキャボット博士(Dr. Richard C. Cabot)によって始められた。彼のようにすぐれた臨床医が生まれたのは,病人を人間として正しく理解して治療するうえでの科学的要求からである。アメリカで40年間高度に発達したものが,聖徳太子以来の慈善的色彩の濃い日本の風土のなかに移され,欧米における発達経路とは反対にGHQ→国(厚生省)→都道府県→保健所→病院という過程をふんで,早急にアメリカ的技法(主としてソーシャル-ケースーワーク)が紹介され,とまどいつつ現在に及んでいる。
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