特集 保健所再編成の動き
第Ⅲ部 現場の声
保健婦は所長直属に
石井 悦子
1
1鶴見第二保健所
pp.100-102
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204884
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
水槽の中の魚は,あの与えられた限られた世界を狭いとか窮屈と感じているだろうか。彼女達があの限られた空間にあまんじている限り,あれが世界であり,あれがすべてであり,他にすばらしく広い自由な世界があることなど考えおよびもつかないことだろう。
私にとって役所というところは,こういうものであり,こういう仕事をするところであり,こういうワクの中でするものである――という公式の中に立っている,それが私に与えられた世界であり,仕事のすべてであり,その範囲を越えようとしない限りは大変居心地のよいところなのである。ちょうど人形の家のノラが夫の腕の中でさえずりうたっている限りは幸せだったように――。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.