--------------------
保健所長からみた保健婦
伊達 富久
pp.45
発行日 1952年6月10日
Published Date 1952/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200300
- 有料閲覧
- 文献概要
教養の高い,技術のしつかりした,仕事にうちこめる人,こんな人が保健所活動の各分野にほしいのですが,特に保健婦の樣に直接,民衆の中で指導の仕事をする人達にとつては,人柄が大切な条件だと思います。現在までの制度で資格をとつた保健婦の方達の中には,「レベル」の低いと思はれる人も相当にある樣に思います。がそれにも関はらず,最近,保健婦事業は社会的に認められつゝあります。
これは保健婦事業が社会の中で必要であるととを示すものであり,又,現在働いている保健婦の方達が,協力して勉強しているからだと思います。厚生省や府県保健婦協会等が保健婦の再教育を,だんだんよい計画で熱心に行つているととも,非常な効果を生んでいる樣であります。又保健婦活動のセンターとしての保健所の事業の進展も保健婦の働きよい状態をつくつて来ています。私共の保健所の保健婦について見ましても,進歩を示している樣です。一人一人の保健婦については,夫々の缺点や長所もあるわけですが,兎に角,各自が自分の仕事に対する計画をもつて進みだした樣です。といいましても,まだ受持の地区の人口が多いので,あせつて迷つているのではないかと思われる点もないではありません。出来ることを手落ちのない樣にするのがよいと思います。手だけ拡げて手落ちの多い仕事をするのは,よくないことだと思います。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.