実態をさぐる
救急医療の現状と対策
pp.60-61
発行日 1970年10月10日
Published Date 1970/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204780
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ここ数年来,救急医療の問題が大きくとりあげられ,国民の関心のひとつになってきている。救急医療といえば即座に交通事故を思いうかべるが,本来は,交通事故に限らず,家庭や事業所等で突発的に発生した傷病を取扱うものである。ただ,交通事故は多発する現代災害の象徴であり,その悲惨さから,われわれに強く印象づけられるのであろう。
経済の発展に伴って,産業面では物資輸送のスピード化,大量化が進み,国民生活水準の向上によって,マイカー族が増加した。こうした社会の動向に合わせ,道路もまた高速化されつつあり,日本におけるモータリゼーションは,とどまることを知らないようだ。モータリゼーションに伴って,今夏は鉛による大気汚染,光化学スモッグ等,これまでの一酸化炭素による汚染以外の,新しい形の公害問題が起きているが,今回は救急医療に目を向けてみよう。
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