仕事と人生
欲ばりなわたし
駒野 陽子
1
1東京都一橋中学校
pp.9
発行日 1970年10月10日
Published Date 1970/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204765
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"女だって仕事を持つのはあたりまえよ。やっと仕事が面白くなってきたというのに,結婚したからって止められないわ。子供だって生みたい。どうせなら2,3人生むつもりよ"。結婚したばかりの私の気炎に,"あなたって欲ばりね。そんなこと言っても続くはずがないわ"と,友だちは1人,2人と仕事を去っていきました。
でも,そんな大見得をきった手前もあって,長男が生まれ,次男が生れても,どうにか仕事を続けてきた私でした。当時は,保育園も少なくて,子供を誰に預けるかで,まず四苦八苦。おばあちゃん,保育ママさん,保育園,お手つだいさん,といった具合に綱わたりのようなやりくりでした。仕事も一人前にしたいし,子供たちにはしわよせをしたくはない,と心の安まるひまもなかったのに,ふしぎと仕事を止めたい,と思ったことはありませんでした。
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