特別寄稿
英国の公衆衛生活動
松野 かほる
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.25-29
発行日 1969年9月10日
Published Date 1969/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204497
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英国における保健サービスとくに一般医の活動
本年1月4日より,WHOのフェローシップにより3カ月間,英国を訪問する機会を得たので,私の経験し感じたことを中心に,地域における看護活動について紹介したい。英国の看護活動について述べるまえに,まずこの国の総合保健サービス(National Health Service)の概略についてふれたい。この保健サービスはNational Health Service Actに基づいて実施されており,次の3つのサービスからなりたっている。①診療サービス(General Practioner Services)—家庭医のサービス,歯科,眼鏡等のサービスで,日本でいえば開業医,歯科医,眼鏡店,開業薬局がこれにあたっている。②病院サービス(Hospital Services)—入院患者および外来患者の診療,看護で,わが国の病院とほとんど変わらない。しかしほとんど国営で,入院,外来診療はすべて一般医(家庭医—general practioner)の連絡によって行なわれている。③地方衛生当局の行なうサービス(Local Health Authority Services)—わが国の県および政令市にあたる行政庁の衛生部が実施するサービスで,母子保健,家庭での助産サービス,家庭看護,保健指導,予防接種,精神衛生。
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