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英国の助産婦・3—その教育と活動について
我妻 堯
1,2
1東京大学医学部産婦人科教室
2現在:Hammersmith Hospital産婦人科
pp.26-30
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202733
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助産婦の教育制度
(1)助産婦学校
前にも述べたように制度がすべて融通性があるため,一律に述べにくいが,だいたい三通りのコースがある.すなわち18歳以後3年間の看護学校教育を終わって国家試験に合格した正規看護婦(State Registered Nurseとよぶ)はその後1年間,または2年間の看護教育後に国家試験を通った准看護婦(State Enrolled Nurse)は1年6か月.看護婦の資格も経験も無いものは2年間,それぞれ助産婦教育を受けなければならない.最近看護学校教育期間中にくわしい産科教育をとくに受けたものについて,上記の1年を10か月に短縮できる制度が発足した.以上のように期間は日本の場合と似ているが,大きな相違としては,上記のコースが第1部と第2部にわかれ,それぞれのあとに国家試験がある.第2部はつねに6か月なので学生の資格によって第1部は4か月〜18か月と変化する.第1部の国家試験をパスしないと第2部には入れない.国家試験の合格率は1961年に第1部が約80%,第2部が約90%である.英国全体に助産婦学校は約240,ただし後述のように2つにわかれ,学生数も4〜5人の所(第2部)がある.学生数は第1部が約3,000名,第2部が約1,800名である.国家試験は3回不合格だと受験資格を失う.また前述のHealth Visitorになるためには第1部の国家試験をパスせねばならない.
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