連載 日本の僻地を探る・1【新連載】
なぜ訪ねるのか
八代 悠紀子
pp.59-60
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204430
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八丈の島で与えられた宿題
42年の春から2年間,わたくし達の八丈島での種々雑多な体験を「八丈の島から」と題して本誌に寄稿させていただいた。今までに,読者の皆さんから直接のご批判をいただく機会はなかったが,わたくし達としては月ごとに仕事をふり返るよすがともなりおおいに得るものがあった。
いま,おもむろに20回にわたった自分達の来し方を読み返してみると,行間からいくつかの問題が鮮かに浮かびあがり,そして厳しく迫ってくる思いがする。それらは,島で仕事をしている時にも重い荷となって感じられ,大きな壁となって視野をさえぎったものであったけれど,島という「場」を離れてもなお,いや,離れたからこそより強く,ぶつからねばならない問題として意識されるのである。
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