History of Neurology 人と歴史
Otfrid Foersterの遺跡を訪ねて
楢林 博太郎
1
1楢林神経内科クリニック
pp.710-713
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900820
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筆者にとってOtfrid Foersterの名は,東京大学を卒業して「何か脳の働きについて勉強をしたい」との想いから,当時の精神神経学教室に入局し,内村祐之教授に師事した当時から親しい。その一つは,当時としてはもっとも広範な全24巻からなるBumke-Foer—sterのHandbuch der Neurologieの故であり,また後に述べるように大脳基底核,不随意運動についての臨床的分析で数多くの重要な業績を残していること,さらに当時(20世紀前半)の神経学の碩学でありながら,同時に脳神経外科のpioneerとしての優れた業績を残したという特異な経歴に対する関心によるものであった。
昨年(1994年)の3月末にRomeで第11回国際パーキンソン病シンポジウムが開催されたが,その前にMünchenで行われたStruppler教授の75歳のお祝いのsymposiumに出席した後にポーランドのWro—claw市(第二次世界大戦前はドイツ領であり,Bres—lau市として知られている)にあるFoersterの遺跡を訪ねる機会があり,Foersterの生涯と業績を偲び,印象を新たにした。
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