特集 保健婦の技術と専門性
国保からの発言
小人数を対象に
山岸 春江
1
1東京都府中市役所
pp.53-54
発行日 1968年10月10日
Published Date 1968/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204293
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大変冷たくつきはなされた感じを受けるとともになるほどもっともと同感せざるを得ない事実でもあります。完全なる健康回復をするためには,院内,診療所内だけのstaffだけでは,十分に支援出来ない。そこに,地域の中で,家庭の中に入りこむような,staffが必要になる。このstaffの一人として保健婦にspotをあてて考えられた論文に対して私の意見を若干述べたいと思う。
市町村に保健婦がくるのが少ないのはなぜか,年限が看護婦の3年の上に又1年という長い教育期間とその割に大卒にくらべて待遇がわるい。同じ4年間という年限なら普通の大学を出て,もっときれいな,格調高い仕事をしたいと望むものも出てくるのが私の同僚に多い。一般の人が「大学まで卒業して保健婦になることはない」というのをよく耳にする。対人関係の仕事,pioneerの精神でとりくまなければやっていけないような,大変な仕事は私には出来ないといって,研究室に残ったり養教になったり,事業所の健康管理者になっていった同僚が多かった。私はそんな中で臨床看護のこともよく知らないで異端者としてみられながらも,単身で山村の保健婦の道を選んだのである。その当時はめずらしいことだとみえて学士保健婦といわれて新聞にのせられたりもした。
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