シンポジウム 公衆衛生を担う人びと
東京大学第42回五月祭より収録
保健従事者養成の最近の動き—英・米・ソを中心に
橋本 正己
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.41-46
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204267
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私はきょうのシンポジュウムの主題の背景としまして国際的な最近の動きについて簡単にご紹介したいと思います。それに先だちまして,歴史的な背景ということに一言ふれておく必要があると思います。表1は私が非常に大づかみにまとめましたものでいろいろ問題もあろうと思いますが,まずここで申し上げたいことは,ひとくちに公衆衛生といっても時代によって対象も方法も非常に変わってきているということです。ですからどの段階での公衆衛生の議論をするのかという点を共通に理解しませんと,討議が混乱致します。それでこの表はロストウという人がいくつかの物指を使って経済の発展を段階づけた区分によったもので,これにもいろいろ方法論として問題があろうかと思いますがとにかくその時代区分を使って,産業革命の時期である離陸期であるとか,技術的成熟期といわれるような資本主義の高度化の時期,さらにいわゆる高度大衆消費時代,これは高度の資本主義の段階ですが,このような段階について公衆衛生の問題を整理したわけです。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.