特集 訪問看護
英米における訪問看護
島内 節
1
Setsu SHIMANOUCHI
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部看護技術室
pp.860-866
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207588
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■はじめに
わが国では,人口高齢化,慢性疾患患者の増加,障害をもって生きる人々の増加などにより,在宅ケアを必要とする対象者が増えている.老人保健法によって訪問指導の制度化と,低額ではあるが料金化されたことで,訪問看護は在宅ケア体制やこれを支える条件がほとんどないなかでも拡大しつつある.また老人保健施設や訪問看護等在宅ケア総合推進事業としてのモデル事業への取り組みをめぐって,訪問看護は国の政策的な意味でも大きなステップを迎えた時期といえる.今後わが国の訪問看護は保健医療福祉政策に伴って,どのような歩み方をし,どのように歩むことが望ましいのであろうか.これらの示唆を得るために,医療制度を国営化したイギリスと行政・民間のさまざまな組織が入り組んで商業化した部分をもつアメリカ合衆国の訪問看護を中心に,在宅ケアの歩みとその実際について述べる.
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