特別レポート
地方における助産婦教育の実状
岡本 ムツコ
1
1岡山大学医学部付属助産婦学校
pp.28-31
発行日 1965年6月1日
Published Date 1965/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202985
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看護職能人の中でも最も古く,また独立した女性の職業としても長い歴史を有している助産婦は,その時代において母子衛生を通して地域社会の保健指導者として常に貢献して来た.このような助産婦の教育が日本において本格的になったのは19世紀の末期,すなわち明治時代になってからである.その後医療制度の変遷や医学の進歩等により助産婦教育の内容や方法に改善がなされたが,昭和26年,新制度による助産婦学校の教育が開始するまでは種々さまざまな方法で行なわれ,したがって基礎資格も教育内容も一律でなくそれぞれ非常に差があった.
しかるに新制度の助産婦教育は基本となる入学資格も統一され,文部大臣または厚生大臣の指定した学校または養成所において6か月以上助産婦に関する教育を受け,国家試験合格によりはじめて助産婦となることができるが,全国いずれの学校も教育期間を一か年としているので新らしい制度の助産婦はその資格,内容ともに等しいものを有している.
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