特集 食品衛生と食中毒
台所用品の衛生について—I.マナイタの衛生
武原 文三郎
1
,
前田 実
2
,
細川 照美
2
,
平井 温雄
2
,
加藤 雅美
2
,
平山 功
2
1神奈川県衛生研究所
2大和保健所
pp.31-40
発行日 1967年9月10日
Published Date 1967/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204020
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1.はじめに
従来,一般に使用されているマナイタは,ほとんどが木製で,主にヒノキ,スギなどである。その材質の特徴として,吸水性に富んでおり,使用により包丁で傷がつきやすいので,ますます吸水性が増加し,短時間では乾燥させることができない。食物が調理されるとき,食物に付着している種々の細菌が,食物の汁あるいは食物の残渣の微細なもの,水分などとともに,マナイタに付着し,また吸い込まれる。その吸い込まれた液体が栄養分となり細菌増殖の温床になっている。
新製品のマナイタとして,合成ゴム,合成樹脂などのものが市販されている。この合成マナイタは木製に比し,傷がつきにくく,したがってマナイタの切傷が浅く,少ないとともに,それ自体吸水性はほとんどなく,表面についた水分は短時間で乾燥するので,細菌の発育はさけられることが多い。
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