保健婦さんへ 期待と提言
大学を利用するだけでなく研究の場の提供も考えてほしい
丸地 信弘
1
1信州大学医学部公衆衛生学教室
pp.9
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203994
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最近では「期待される人間像」などということが世間でいろいろ論議されていますが,ここで私がそのような形で「期待される保健婦像」をのべる必要はなかろうと思います。
さて,人さまに物申すにはまず私の立場をちょっとお話しておく必要がありましょう。私は医学生の頃から農村保健に興味をいだき,セツルメント活動に手を染めたのがこの道に入る動機となりました。卒業してただちに大学で公衆衛生学を専攻することにしたのですが,研究の性質上,今日までにいく10人もの保健婦さんといろいろ仕事をともにしてきました。考えてみれば,私のこれまでの研究活動はすべてフィールド・ワークを必要としました。したがって市町村の保健婦さんとの接触がおのずから最も多いものになりました。そこで保健婦さんと一緒に仕事をしたなかで私が望みたいことも盛りだくさんありますが,ここでは問題を明確にするため,私がここ数年間に保健婦さん方と続けて接触を保ってきている2,3の面に話をしぼってお話をしてみたいと思います。
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