特集 感染症情報
インターネットを利用した感染症発生動向調査情報の提供
神谷 信行
1
,
池田 一夫
1
,
灘岡 陽子
1
1東京都健康安全研究センター
pp.879-883
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100180
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近年,鳥インフルエンザ,ウエストナイル熱,重症急性呼吸器症候群(SARS)など新たな感染症の発生が報告され,日本国内への伝播が懸念されている.一方,国内においてはインフルエンザ,感染性胃腸炎,麻しんなどの発生動向が注目されており,常にこれら感染症の動向に注意を払う必要がある.さらにバイオテロリズムの危険性をも考慮しておく必要がある.
感染症のアウトブレイクを未然に防止し,その危険性がある場合には迅速な対応ができるように,平常時から感染症の発生を速やかに探知し,かつ対応することができる体制を確立する必要がある.さらに感染症発生動向調査により集積された情報を,可能な限り速やかに医療機関や地域住民に提供するとともに,その情報をより簡便に利用できることが求められる.
一方,インターネットの普及はこの数年で急速に進み,2004年の世帯普及率は52.1%と半数を上回った1).自治体における情報機器の整備も進み,68.6%で,職員1人1台体制が整っている2).このような状況の中,インターネットを利用して感染症情報を提供することは,迅速性,利便性の上で非常に効果が高いと考えられる.
東京都感染症情報センターでは,感染症発生動向調査で収集した情報をWebサイト上に構築したデータベースシステムに集積し,その情報を容易に入手可能なシステムとして「Web版感染症発生動向調査」の開発を行った.
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