特集 子どもの事故
乳幼児の家庭災害
高橋 秀雄
1
1岐阜大医学部公衆衛生学教室
pp.12-15
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203997
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はじめに
家庭災害と乳幼児との結びつきは深い。最近の死亡統計によれば,わが国では全事故死の15%が家庭で発生し,かつ全家庭災害の1/3を4歳以下で占めている。実数でいえば約2000名の乳幼児が家庭内の事故により死亡しているのである。また非致死的事故は死亡1に対し数百ないし数千である。これらは死亡においては交通事故に倍すると推定される。また家庭災害による死亡の種類であるが,0歳では年次・地域を問わず窒息が8割を占め,1〜4歳では溺死・溺水,5〜14歳では火傷がそれぞれ4割を占める。非致死的事故では刺切傷,打撲,火傷,墜落・転倒で8割を占める。このような家庭災害についてわが国の乳幼児を中心に最初に疫学的事項を2,3述べ,次いで事故の発生要因に人および環境の二面より迫り,最後に防止対策の方向を示すことにする。
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