くらしのわだい
婦人の能力をいかすために
俵 萠子
pp.64
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203937
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婦人週間の労働省の行事,全国婦人会議に出席した。開会式と総会の2日間顔を出した。新聞記者時代,何回か全国婦人会議を取材したことはあるが,いずれも分科会を取材したのであって,総会というのははじめてだった。NHKホールでおこなわれた総会は,そのままテレビで中継された。そのせいか,出席者はかたくなって,発言の内容はまとまりがなかった。女性も人前で発言するのがうまくなったときいたが,いまだしの感がある。個々の発言には,いい内容のものもあるのだが,会議という流れのなかに調和しない。1つのテーマが白熱し盛り上がろうとすると,突然まったく関係のない発言が飛び出して,会議の流れを中断する。会議のなかでの発言というのは,内容よりもむしろタイミングであり,みんなが協力して1つのドラマを演出するようなものであるということに慣れていない。何かいいたいことがあって,それだけを発言するのが精いっぱいという未熟さが感じられた。それでも,昔に比べればとにかく人前で声を出せるようになっただけでも格段の進歩だとは思うが,まだまだ不慣れである。婦人の能力をいかすためには,まず会議のもちかたから練習する必要があるという感じがする。それには場数を踏むことがいちばんである。もっともっと社会教育的な行事が必要だと思った。"下駄箱PTA"ということばがある。
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