連載 保健統計学序論・1【新連載】
健康指標の考え方
田中 恒男
1
1東京大学医学部
pp.52-55
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203932
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はじめに
東京大学医学部保健学科では,専門課程の第一年次(通算三年生)において,保健統計学が講ぜられる。この狙いは,保健活動や,保健衛生上の諸現象を正しく理解し,またいかなる方法によって数量化しうるかなどの内容について,基礎的な教育を与えることを目的としている。
これに類した用語には,従来から衛生統計学,社会統計(ただし保健婦教育に課せられた表題の意味において),人口動態統計,人口統計などがある。保健統計学の内容も,これらの内容は包括しているが,さらに高度の問題,たとえば健康指標論とか,かなり水準の高い生命表の諸問題,疾病死因分類論,医用電子計算機応用論などをふくみ,アップトウデイトな立場から,カリキュラムがくまれている。これは,あるいは大学だから許されることかも知れないが,じっさいに健康問題を,今日的視点に立って討論しようとすると,これらの知識は必須のものであり,ある意味からは最低の要求となるものだと思う。
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