特集 統計を学ぶ
健康指標のあれこれ
高樹 正浩
1
1香川県高松保健所
pp.15-18
発行日 1964年6月10日
Published Date 1964/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203124
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はじめに
ある社会集団の健康水準なり衛生状態を評価することは,疾病を予防し,もしくは疾病の早期発見,潜在疾患の発見などにとって重要な鍵であり,人間集団の健康増進を目的として働いているわれわれに対策への手がかりを与えてくれる.そこで集団の健康状態をあらわす目安として,健康の指標なるものが考えられる.それはどのようにして得られるものであろうか.
個人の健康状態を知るには,身長,体重など形態学的な発育や,組織器管の生理的機能,そのおかれている生活環境など多方面から得た資料を総合的に検討しなければならないと同じように,集団の健康状態を知るには集団としての発達,成長,機能すなわち集団内の出生,死亡,疾病,伝染病などの発生状態,発育,栄養,体力などの状態,水道施設,屎尿処理などの生活環境条件や,医療機関などが行なう保健活動の状況など多方面からの観察をしなければならない.
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