ほんだな
—吉岡修一郎 著—もうひとりのナイチンゲール
船津 維一郎
1
1久留米大医学部付属高等看護学校
pp.61
発行日 1967年4月10日
Published Date 1967/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203912
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・看護職にあるものの座右の書
著者は長年にわたる高等教育の経歴を持ち,大学医学部では医学概論,医学心理学を講じて医学の哲学的意義をとき,医道を通じて若い学生を惹きつけて来られた。
飄飄乎とした風貌のなかに人間性豊かな平和主義者の著者のナイチンゲール伝は偶像化されたクリミヤの天使,看護学校創設者というのみならず,上流階級出身の貴族女性の手なぐさみではない証拠に急速な社会改革と英帝国の繁栄を築いた時代に病弱の身を顧みず革新的意欲をもって,看護婦の資質と地位の向上,英本国,インドの衛生,民衆の福祉など広い意味の看護事業の達成にその後半生を捧げて戦いぬき成果をおさめた一女性を生き生きと描き出しておられる。若き日の悩みを昇化して得た奉仕と正義感に基づいた看護精神の勝利を見いだすことができる。
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