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—吉岡修一郎著—「医学的・心理学的にみた思春期」,他
新福 尚武
1
1鳥取大・神経精神医学
pp.98-99
発行日 1965年7月1日
Published Date 1965/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202631
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多角的総合的にとらえた思春期
本書はひと口にいうと,青年期前期(ロー・ティーン)の心理的生理的,さまざまな問題を具体的にとりあげ,わかりやすく説明し,明瞭な指針をあたえる教養書である。
この期はこんにち親,教師,一般社会の最大の悩みのタネとなっているが,その原因などに対する見解はまことにまちまちである。あるものは教育,わけても中学教育に欠陥があるという。それは正しいが,さて教育をしっかりしろといっても,どう教育するのがよいのか,教育すべきものについてよく知らないでは,どうにもならない。ところが,著者によると,この期の研究は医学的・心理学的にほとんど進んでいないという。それで本書は最近の医学的・心理学的知識をまとめ,それによってさまざまの問題に多面的,総合的に光をあて,いくべき方向を明らかにしようとする。けだし,このような多面的な問題をもつ著書の著者として,この著者ほど適任のものも少ないであろう。心理学を専攻し,社会,歴史,哲学にふかい造詣をもち,さらに医学とくに精神医学の研究にたずさわっているので,著者の知識は豊かで,視野は広く,考えは中正かつ進歩的である。
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