特集 保健指導の再検討
保健指導の展開—現場の声を収録
東京都淀橋保健所
pp.40-46
発行日 1967年4月10日
Published Date 1967/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203905
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ある郊外電車のなかで,保健所の保健婦らしい人たちの会話から「最近家庭訪問ができなくなった。まれに出かけてもバスが30分間隔では目的地に着いて,家庭に入るとまず今日は何件訪問し,何時のバスに乗るには在宅時間を何分でと計算し,時計を見ながら訪問するので計画した目的をいかに早く話すかと……と。」この会話を聞きながら3年前が思い出された。
人口22万,副都心として発展している近代都市を包括する保健所の地域ニードは労基法による健康診断,企業体,公私学校の予防接種など実にめまぐるしい日課のなかで,無計画に業務が運営され,来所者に対しても忙しい理由から保健指導も十分できず,また家庭訪問においても質よりも量で,ケースに接する場合にまず面接時間を定めて,一方的に画一的な指導を行ない,訪問記録をみると化学療法はされているにもかかわらず,毎回継続治療のこと,家族検診勧奨と繰り返し,評価では充足率何%と数的な面が重要視されていた。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.