講座
声なき声—保健サービスに対する受益者の声
田辺 正忠
1
1医療協同組合・早稲田診療所
pp.58-62
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202074
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「受益者の声を」と言つても,不自由に慣らされた人達から,苦情や意見を聞くことは難しい.それにはまず私達が自分の仕事について正しい理解をもつばかりでなく,純度の高いイメージをいつももつことが必要である.階層の違つた人とも年齢のちがう人とも,同じ言葉で話しができなければいけないが,声をきこうという気持そのものがおかしいのかもしれない.むしろ民衆と一緒に考え,共に行動する時に出てくる問題が大切なのではないか.
ここでは毎日遭遇する平凡なケースを材料にしながら,できるだけなまの「声なき声」を考えてみたい.
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