連載 学びのヒントをもつ私 学生は「経験」の宝庫・5
家族看護に「現場」の声を
文倉 志信
1
1順天堂大学医療看護学部
pp.1131
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200393
- 有料閲覧
- 文献概要
「家族看護」は,患者や療養者本人の家族をも,看護ケアの対象とするもので,看護の発展とともに注目されているものだと思います。私も最近,大学での家族看護論や領域ごとの授業内で家族看護について学びました。しかし,妹が障害児になったときから今までの状況について母から話を聴くと,授業で習ったような家族看護は理想で,現状としてはそううまくいっていない印象を受けました。今回はそのお話をしようと思います。
私の母は看護師です。妹が障害児になるまでは,地元の病院で病棟やオペ室の看護師として働いていました。そのために妹が初めててんかんの発作を起こしたとき,あわてる前になぜ発作が起きているのかというところに視点がいき,「熱はないから熱性けいれんではない,水分はちゃんと取っていたから脱水でもない,ということは脳内出血…!?」というように考えられる原因を探ってしまった,というのは看護師ならではのエピソードです。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.