書評
—村田 源一朗 著—「育て赤ちゃん—死亡率ゼロをめざして」
川上 武
1
1杉並組合病院
pp.151
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203853
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医者も立ち会わずに死んでいく病人がいまでもあることは,医療関係者にさびしい反省を求める。とくに,自分の生まれてきた意味を理解できないうちに,みずから病気と闘うすべもなく死んでいく乳児の場合には,ひとしおこの感がつよい。
ところが,その原因が医学以前の問題にあるために,ややもすればあきらめ無関心になってしまう。しかし,無医地区は解決されず,乳児死亡のたえない矛盾にみちたいまの社会でも,社会と医療関係者が協力するならば,乳児死亡を減らすことは可能である。それを立証したのが,岩手県の乳児死亡との闘いである。
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