びぶりおていく
三歳児—幼児の保健指導/患者への新しい接近法
清水 寛
,
羽生 りつ
pp.60-61
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203741
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幼児の実態把握と指導実際書として好適 戦中戦後混乱期,配給のミルクに長い行列ができ,発疹チフスや日本脳炎などの伝染病が猛威をふるっていたころの乳幼児保健対策は,わずかに栄養失調と伝染病の対策のみであった。父を,兄を,夫を戦争で失った若い母親たちには,「赤んぼうだけは死なせてはならない」という悲願があった。したがって,乳幼児保健の対象としてまっ先に乳児がとりあげられたのも不思議ではない。
その後の国民生活水準の向上,公衆衛生状態の改善を母胎に,医学薬学の進歩,特に化学療法の発達と保健指導の普及とは,感染性疾患の減少,ひいて乳児死亡率の著明な低下をもたらし,乳製品や離乳食品の不断の改良と調乳,離乳指導を含めた稠密な栄養改善指導とは乳児の発育,体位の向上に大きく貢献した。戦後今日に至る乳児医学,乳児指導の成果はまことにめざましい。
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