読者からの手紙
脳水腫と疑われたわが子
岩永 牟得
1
1東京都本所保健所
pp.9-11
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203660
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産室の廊下を走る先生と看護婦さんの足音.つづいて「あんなに元気だったのに」という看護婦さんの声.「もしや私の子供では」という不安が頭をもたげた.
その朝元気な産声をあげ「おめでとうございます.お坊ちゃんですよ」という助産婦さんの声,「安産ですよ.二度目はもっとらくに産めますよ」と先生の声.私は産室にもどり姑と夫に祝福され幸福感にただ無性にあたたかい涙が頬をつたった.姑と夫が子供に対面した時,羊水が十分喉からとれないため頭を低くして寝かせてあったそうだ.
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